小林常夫監督の作品では「十二国記」「英國戀物語エマ」でご一緒させていただきました。
そのこともあってか、私の場合はオーディションをせずに、七瀬忍と慶太の母親・麻季の役でお話をいただきました。
忍の印象としては、ミステリアスかつ食えない雰囲気のある女性だな、と思っています。
自分の欲望にとても正直で、自分が欲しいもの、こうなりたいという想いをストレートに表している部分は魅力的ですね。
比瑢との関係も、互いに補いあえる部分があるから共にいるのだと思います。
沖縄では慶太を幻惑するシーンもありましたが、演じる上では、彼女が抱えている野心を感じられ、かつ原作の忍が持っている妖艶な雰囲気をアニメでも反映できればと思い演じました。
今後の展開にも注目ですが、韓国・北米で同時放送というグローバル展開もありますので、世界のファンの方と感想を共有して欲しいな、と思います。
動物を愛してやまない私のために、音響監督の菊田さんと小林監督が温かいお言葉を下さり、プニプニの役をいただきました。
プニプニの魅力的なところは、かわいいだけではなく、すごくしっかりしているところです。
プニプ二なりに一癖も二癖もありますし。基本はただの犬なんですが、鋭い眼つきなどからしてもただの犬ではないですね(笑)。
プニプニは、茜さんを一番いい人だと思っていて、傍にいれば「食べ物に困ることはない」、「茜さんに何かあったら飛んでいかなきゃ」と思っています。
クロに対しては、何かあったら「逃げておくね」「こっちで待ってるから」という感じですね(笑)。
アニメでは毎回、プニプニが食事をするシーンがありますが、そのほっとする雰囲気も見所だと思います。
オーディション原稿が悪役っぽい感じだったので、オーディションの時に少し悪く演じたら、「もっと普通のお兄さんのように演じてください」とご指摘を受けました。
目的を明らかにしていない黎真を演じる上でのポイントはこの「普通さ」だと思っています。
その一方で黎真の魅力は、周囲の事だけを考えるのではなく、大きな目的のため常に先を見据えているというスケールの大きさだと思います。
彼は今、自身の最終的な目的のために突き進んでいる状態ですが、そこには感情的な部分が出てきてしまうので、その部分の振り幅が難しいとは思いますね。
あまり出しすぎないように言われていますので、今後の展開として、黎真がどうなっていくのかも気になりますが、アニメオリジナルキャラクター含め色々な変わったキャラも登場していますので、その部分も改めて注目していただけたらと思います。
原作コミックの前に台本を読ませてもらった時は、黎真に対しての忠誠心はある程度ありますが、基本的には、他の人間を見下している性格なのかな、と思いました。
比瑢の面白いところは、普段の生活では言えないような極端な台詞を堂々と言えるところだと思います。見た目にも悪い人だと分かるので、そういうキャラクターを演じる楽しさもありますね。
お気に入りのシーンとしては、揶雲が登場した回で初めてまともに戦った場面です。
それまでは周りの皆さんが楽しそうにしているのに、自分はニヤニヤしているだけだったので(笑)。そこでやっと戦いに参加できた!と思いました。
「クロと慶太」の目線で物語を楽しみつつ、他のキャラクターがどう考えているのかという部分も注目しながら観ていただけると、より楽しめると思います。
蔵木はアニメオリジナルキャラクターですので、徐々に「蔵木」という人物を作りながら演じています。 「黒神」は激しい戦闘シーンが多いですが、蔵木に関しては直接戦闘には参加せず、常に何かを企みながら状況を判断しているポジションです。
初めは黎真の考えに同調し、付いていく部分がありましたが、「何かが違う」というものが出てきてから、徐々に野心的な部分が出てきましたね。また、監視カメラから周囲を覗いて不敵に笑うシーンなども多く、謎めいた人物なので、楽しんで演じさせてもらっています。
蔵木を演じていて難しいのは、説明が多いところですね(笑)。「黒神」の世界観やシステムは独特ですので、自分の中である程度理解した状態でないと、うまく説明できませんので。
各キャラクターが皆違う思惑を持っているので、複雑に絡み合っている人間関係に注目です。
また、エンディング後のエピローグも続きが気になる大きなポイントですので、ぜひ逃さずに見て欲しいですね。